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ウシガエル骨格標本作り
2016/04/25
前回のピラニア骨格標本に続き、ウシガエルでも骨格標本を作って見ました。管理人はよく魚取りに行くのですが、外来法によりウシガエルなど特定外来生物は捕獲した時点で殺すしかないので、せっかく殺すなら何らかの形で役立ててやりたいと思っています。
目次
 
骨格標本の作り方
使った道具・薬品
解体〜天日干し
天日干し〜復元
骨格標本の作り方
作り方は基本的に「ピラニア骨格標本」のときと同じです。両生類は魚類より肋骨がしっかりしていて背骨から取れることもなく楽なのですが、魚類にはない指があり、指の組み立てが大変面倒です笑
正直しんどいです笑
ピラニア骨格標本
使った道具・薬品
おなじみ精密マイナスドライバーとピンセットです。ピンセットでおおまかに肉や内臓を取り除いて、ドライバーで細い組織を取っていく感じです。
ブリーチ系の薬品です。これも薬局とかで買えてパチモンryです。パ◯プユニッシュで組織を溶かしたあと、中和と骨の漂白に用います。
瞬間接着剤です。標本を作る上では熱ボンドで接着する方がやりやすいのですが、不器用がやると見た目が悪くなるので、今回も主に瞬間接着剤を使いました。ちなみに熱ボンドとは、あっためたボンドのことではなくグルーガンのことです。グルーガンは「カダヤシ捕獲器作り企画」で扱っています。
パ◯プユニッシュとかいう系統の薬品ですね。管理人は水酸化ナトリウムと呼んでいます(露骨) ドライバーで取りきれない細い組織を溶かすのに使います。組織と一緒に細い骨も溶かしてくれるので、あまり考えずに使うと骨ごとなくなります笑 薬局やホームセンターで購入できますが正規品はちょっと高いので、薬局でパチモンを購入しました。
ビニール手袋です。カエルは脂が少なかったので手に臭いがつくのをためらわなければ不要です。
ピラニアのときには使わなかったグルーガンです。細い骨は瞬間接着剤で貼り付け、太い骨は瞬間接着剤とグルーガンで固定します。
解体〜天日干し
こちらが管理人に捕まってしまったウシガエルです。
捕まった時期が冷えた早春の夜だったので、おそらく冬眠から覚めたものの寒すぎて弱ってしまった個体だったと考えられます。
組織を取り除くために茹でます。この工程はピラニアのときと同じです。予想していたよりカエルが大きくて、鍋からはみ出てしまいました笑
茹で終わったら平らなところに置いて、おおまかに筋肉を取り除きます。
ウシガエルは食用ガエルとして輸入されたと聞いていましたが、筋肉を取り除いてみてたしかにこれは食べられるなと思いました。ただ一匹から取れる肉は少ないです。
次標本を作るときには食べてみたいですね。
なかなかグロテスクな写真ですが、これが筋肉を取り除いている工程です。両生類は哺乳類よりはるかに魚類に近いとはいえ、陸上に適応しているだけあって、筋肉のつき方が哺乳類に近いです。よって魚類よりも取り除きやすいです。
足の筋肉を取り除いたところです。足が太いわりに骨は細くて驚きました。引き続き上半身も取り除いていきます。
手足の指や頭部の細部は組織を取り除くとバラバラになってしまうことがあるので、やばそうな部分はある程度取り除いたら組織が残っていても次の工程に移ります。
おおまかに組織を取り除いたら水洗いします。今回は水洗いのときに茹で直しましたが、何も変化はありませんでした笑
洗い直したら、ピンセットなどを使って細部の組織を取り除いていきます。写真は股関節を拡大したものですが、よく見ると軟骨やその他細かい組織がたくさん残っているのがわかります。最終的に取り除けなかった組織は薬剤(パ◯プユニッシュ)で溶かすのですが、薬剤は同時に骨も溶かしてしまうので、薬剤に浸ける時間を短くするためにも、できるだけこの工程で組織を取り除いておきます。
軟骨を取り除くと、硬骨をつなぐものが無くなるので骨がバラバラになっていきます。あとの組み立て工程の手間を増やさないために、できるだけパーツは少ない方がいいのですが、軟骨を残したまま標本にするわけにもいかないので、泣く泣く取り除きます笑
軟骨等を取り除き終わったら、パ◯プユニッシュに浸けて組織をほぼ完全に溶かします。
パ◯プユニッシュ中の水酸化ナトリウムがタンパク質を溶かすわけですが、タンパク質が溶けるということは人間の組織も溶けるということなので、薬剤が皮膚についたときは流水でよく洗ってください(詳しいことはパ◯プユニッシュの容器裏面に書いてあります)
なんども書いていますが、骨も溶けるので、浸けっぱなし厳禁です笑
組織が溶け終わったら、一度水で洗ってから漂白剤です。
写真からわかるようにウシガエルの骨はもともと紫色に着色しているので、この色を落とすために漂白するわけです。重要なのはこの紫色が漂白剤で完全に落ちるわけではないので、真っ白になるまで漂白してはいけないことです(紫色は自然乾燥中に抜けます)
なおピラニアのときも書いた(はず)ですが、パ◯プユニッシュと漂白剤は「混ぜるな危険」の関係にあるので、漂白剤に浸ける前には必ずパ◯プユニッシュを落とします。
すべてのパーツを漂白できたら発泡スチロール等の上に乗せて天日干しまたは屋内で自然乾燥します。指の骨はどれも大変似ていて、どの骨がどの指だったか、はたまた左右どちらの指だったかわからなくなると本当に大変なので、風が吹いて順番が乱れたりしないように静かな場所で乾燥させます。
天日干し〜復元
天日干しの目安は1週間ですが、乾燥させた時期がちょうど管理人の忙しい時期と重なったため、2週間以上放置してしまいました笑
上の乾燥前の写真と見比べると乾燥後はかなり白くなっているのがわかります。なぜ乾燥させると脱色するのかはわかりませんが、乾燥工程が標本の出来を左右するのは確かなようです。
(地獄の)組み立て工程です。まずは背骨から組み立てます。なぜ背骨からなのかというと、管理人がそうしたかったからです笑(本当は体の中心の骨だからです)
基本的に組み立ては体の中心から外側に向かっていくのですが、手足の指は数が多すぎるので先に組み立てます。2枚の写真のようにやっていくのですが、大変時間がかかります。
なお手足は標本完成後、ケース等と接する部分になるので、地面に対して平行に(つまりすべての指が地面と接するように)作った方が見栄えが良いです。ただ背骨と連結する前組み立てるので、想像力が要ります笑 ネットの画像検索で「ウシガエル 骨格標本」と調べて完成標本を見ればイメージが湧くかと思います。
手足の指が完成したら、大腿骨から順に背骨に接着していきます。股関節や膝関節は瞬間接着剤だけでは弱くてとれることがあるので、上からグルーガンで固めてもいいです。
体と足を接着し終わると、あとは腕です。
腕は手のひらを地面につけて標本の前方を支えるようにつけます。
腕を接着したらようやく完成です。
ウシガエルの標本は初めてだったこともあり、作業開始から標本完成までに計10時間かかりました笑
しかし完成した標本を見るとその労力も無駄ではなかったなと感じます…笑
最終的にどこの骨かわからなくなってしまった骨が4つ出てしまいましたが、もう一度作るときにはちゃんと位置を確認しようと思います。
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